「人間生活と農業」
「農耕の始まりと地域性」「縄文時代に見る日本農業の基礎」
昨年度の日本農業検定1級の【問1】では、農耕文化の4系統について問われた。また、【問2】では縄文文化を引き継ぐ農業の基本について問われた。
中尾佐助著「栽培植物と農耕の起源」の内容の多元的農耕起源論である。農耕文化は、西アフリカ、中東、東南アジア、中南米の4系統が独立して発生したとしており、【問1】では日本が属するのはどれかというものである。
1級の問題だけあって【問1】から細かい内容が問われている。公式テキストではP6~P7に記載がある内容でこの問題は解ける。【問2】では、P9に記載がある。【問2】の問題文は、記述から想定ができそうな書き方なので正誤はわかりやすいかもしれない。
2016年度本試験問題より
【問1】世界の農耕文化の4系統の記述で、日本が属するのは次のうちどれですか。
- 発祥は西アフリカ乾燥地帯、イネを含む雑穀、豆類、ゴマなど。
- 発祥は東南アジア熱帯雨林、タロイモ=サトイモが主食の焼畑農耕。
- 発祥は西アジア、ムギ作中心にエンドウ、ビート、タマネギなど。
- 発祥は中南米、トウモロコシ、カボチャ、ジャガイモ、サツマイモなど。
【解答】2
【問2】農業の基本の説明で、不適切なものは次のうちどれですか。
- 農業は、人間、土地、生物を不可欠な構成要素とする命を育てる産業である。
- 土地は農業生産の場であり、土地ごとに地域性があり、敵地敵産が農業の基本である。
- 土地に働きかけて農作物の成長に好適な環境を作り出し、持続可能な生産が保てるように管理することが農業の根幹である。
- 農業は太陽をエネルギー源として、自然に支配されながら食料などの生活必需品をつくる常に不安定な産業である。
【解答】4
「2017年度試験対策」
2017年度の試験については2回目となります。実際のところどこまで試験問題が変更になるのか見当もつきませんが、それなりの対策が必要かと思われます。「人間生活と農業」の分野で合わせて押さえたほうが良さそうな部分をピックアップして覚えたいと思います。
- 農業と農耕は基本的に同じ意味で使われる。
→× 農業は牧畜を含むが農耕は含まない。農業は産業全体を指す。
- 人類が狩猟と採集から農耕を始めたのは約10万年前で、西アジアのムギや東の中国・長江流域のイネだといわれている。
→× 農耕を始めたのは約1万年前
農業全般分野については、全部で15問出題されている。公式テキストP6からP40までで15問なので重要な分野といえそうです。