「栽培分野」
「野菜栽培の基礎知識」
2016年度の日本農業検定3級の【問29】~【問34】ではイチゴ、エダマメ、キュウリ、トマト、イネ、ダイコンについてそれぞれ問われた。個別の野菜について聞かれているので、それぞれの野菜がどのような特徴があるのか押さえておく必要がある。
2016年度本試験問題より
【問29】イチゴの栽培についての説明で、正しいものは次のうちどれですか。
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- イチゴの苗を植えつける時は、クラウンと呼ばれる芽に土をしっかりとかぶせておくと丈夫に育つ。
- 室内や昆虫が飛ばない気温が低い日には、柔らかな筆を使って人口受粉するとよい。
- 親株から出るランナーに発生する子株は、翌年の栽培に使うことが出来ない。
【解答】2
選択肢1は芽(クラウン)を埋めないように定植するので誤り。選択肢3は親株から出るランナーでも、翌年に向けて苗を増やすことは可能であるので誤り。
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【問30】エダマメの栽培についての説明で、正しいものは次のうちどれですか。
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- エダマメの根に小さなこぶがたくさんついている場合は、根が病気にかかっているので引き抜いて焼却処分する。
- エダマメは生育と共に背が高くなり倒れやすくなるので、2~3回の土寄せが必要である。
- エダマメは収穫後2~3日経ってから食べるとおいしく食べられる。
【解答】2
選択肢1は、根粒菌についての記述だが、こぶがたくさんついていても根粒菌が空気中の窒素を取り入れてエダマメに供給している。病気にかかってるわけではないので誤り。選択肢3はエダマメは収穫後時間とともに味が落ちていくので収穫したらすぐ食べるため記述は誤り。
【問31】キュウリの栽培についての説明で、正しいものは次のうちどれですか。
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- キュウリは親づるを垂直に伸ばし、5節以下の子づるはすべて摘み取る。
- キュウリは根が深く伸びるので、乾燥に強い野菜である。
- キュウリは両性花なので、受粉しなくても実が肥大する性質がある。
【解答】1
選択肢2は、キュウリは根が浅く、乾燥には弱いので水分はかかせないので誤り。選択肢3はキュウリは雌雄異花であるので誤り。
【問32】トマトについての説明で、間違っているものは次のうちどれですか。
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- トマトはわき芽を伸ばすことで、味の良い実を多く収穫できる。
- トマトの原産地は南米のアンデス高地である。
- トマトは日当たりを好む。
- トマトは排水の良い土を好む。
【解答】1
選択肢1は、わき芽についての記述であるが、わき芽はできるだけ小さいうちに摘み取るのが良い。理由は、栄養がわき芽にいって、実のつきが悪くなったり、わき芽が茂ることで日当たりが悪くなったりするためである。
【問33】イネの栽培(バケツ使用)についての説明で、間違っているものは次のうちどれですか。
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- 種もみを空気が触れる程度の浅い水に数日つけ芽を出させる作業を「芽出し」という。
- もみをもみ殻(がら)と玄米に分ける作業を「脱穀(だっこく)」という。
- 分(ぶん)けつが終る頃の稲の背丈が40~50cm程度になった時に水を抜き、土に酸素を補給する作業を「中干(なかぼ)し」という。
【解答】2
選択肢2は、「もみすり」の記述となっている。「脱穀(だっこく)」は稲穂からもみを取ること。
【問34】ダイコンについての説明で、間違っているものは次のうちどれですか。
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- ダイコンは花が咲いたあとに食味がよくなるので、花の咲くのを待ってから収穫するとよい。
- ダイコンはアブラナ科の野菜である。
- 畑の土に小石や未熟な堆肥が混ざっていると、根が木の根のように別れてしまうので混入しないように注意する。
【解答】1
選択肢1は、誤りで、ダイコンは花が咲いてしまうと根部に蓄えられた養水分が開花や結実に使われてしまうため根部の食味が低下してしまう。よって選択肢にある花が咲くのを待ってから収穫は誤り。
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