「農業の多面的機能」
「ヒューマンサービス機能の深化」「都市農業の多様な役割と振興策」
2016年度の日本農業検定1級の【問13】では「グリーン・ツーリズム」について問われた。この問では基本的な言葉の意味をを抑える必要がある。また、【問14】では都市農業が発揮する多様な役割について問われた。
2016年度本試験問題より
【問13】「グリーン・ツーリズム」の説明で、間違っているものは次のうちどれですか。
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自然豊かな農村地域での滞在型の余暇活動で、農家民泊(農家生活体験)や農業体験などの取り組みがある。
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農村の持つ「国土保全・食料保障機能」を都市住民へのヒューマンサービスに活かす農村女性が主役となった取り組みである。
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交流・体験の基本は、農村に受け継がれてきた伝統的な文化や技術、生活に接することである。
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都市と農村の交流には、地域の自然環境や歴史文化に接しながら、その保護活動にも参加するエコツアーも注目を集めている
【解答】2
「グリーン・ツーリズム」は欧州各国の先行例に学び、農村のもつ「保険休養機能」を都市住民へのヒューマンサービスに活かす、農村女性が主役となった取組み。
【問14】都市農業が発揮する多面的な役割についての説明で、不適切なものは次のうちどれですか。。
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市街化区域にあって宅地供給の役割が更に高まっている。
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大規模地震など災害時の防災空間としての役割を担っている。
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都市住民への新鮮で安全な農産物の供給地となっている。
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都市住民や学童の身近な農業体験の場になっている。
【解答】1
都市農業が発揮する多様な役割は(1)新鮮で安全な農産物の供給、(2)身近な農業体験・交流の場の提供、(3)災害時の防災空間の確保、(4)やすらぎをもたらす緑地空間の提供、(5)国土・環境の保全、(6)都市住民の農業理解の醸成
「2017年度試験対策」
2017年度の試験については2回目となります。実際のところどこまで試験問題が変更になるのか見当もつきませんが、それなりの対策が必要かと思われます。
- ヒューマンサービスとは、リゾートホテルやリゾートマンション、テーマパーク、ショッピングモールなど人工的に作り出され非日常的な施設や空間を中心に展開する観光の形態。
→× 問題文は「ハード・ツーリズム」の説明。ヒューマンサービスとは、人の命と生活を大切にする広い意味の「福祉」を指す(アメリカで使われている用語)。人と人が向き合い保険・休養・福祉などを支援する社会的サービス。
- ファーム・インとはドイツなどヨーロッパに普及しているB&B(ベッドと朝食が提供される宿泊方式)や室内にミニキッチンのついた個室・自炊方式の農家民宿にならって、北海道で生まれた新しい考え方の農家民泊である。
→〇
- 都市農業は小規模だが収益性は高い。
→〇
農業農村の多面的機能の動向分野については、話題性があります。ニュースでも取り上げられている事例等もあるので興味を持って暗記に取り組めるといいですね。
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