「食品の安全・安心」
「食中毒・細菌の傾向と対策」
2016年度の日本農業検定1級の【問33】では「食中毒」について問われた。なかなか聞きなれない内容なのでしっかり教科書をおさえておきたい。
2016年度本試験問題より
【問33】食中毒は1年を通して発生していますが、冬場の感染原因の説明で正しいものは次のうちどれですか。
- カンピロバクターは、冬場の肉類に多く付着しているウイルスで、肉を生で食べたり生焼けの状態で食べたりすることによって食中毒が引き起こされる。
- サルモネラ属菌は、冬場の肉類や卵に多く付着しているウイルスで、生で食べたり不十分な加熱状態で食べたりすることによって食中毒が引き起こされる。
- 冬の感染例が多いウイルス性食中毒の多くがノロウイルスによるもので、感染力が強く感染者の手やふん便、おう吐物などを介して二次感染するのが特徴である。そのため大規模な集団食中毒が引き起こされる。
- ブドウ球菌は自然界に広く存在するウイルスで、とくに冬場の暖かい台所の生ゴミ場で増殖する。不潔な台所での調理者の不注意によって汚染されて家族単位で食中毒が発生することが多い。
【解答】3
選択肢1のカンピロバクターとは、牛や豚、鶏、猫や犬などの腸内にいる細菌であるので誤り。選択肢2のサルモネラ属菌はペットやネズミなどによって、食べ物に菌が付着する場合がある。カンピロバクター同様、牛や豚、鶏、猫や犬などの腸内にいる細菌。選択肢4にブドウ球菌は自然界に広く分布。人の皮膚やのどにもいて、調理する者の手や指に傷があったり、傷口が化膿したりしている場合、食品がブドウ球菌に汚染さることがある。
「2017年度試験対策」
2017年度の試験については2回目となります。実際のところどこまで試験問題が変更になるのか見当もつきませんが、それなりの対策が必要かと思われます。
ノロウイルスは、ノロウイルスに感染した人の手やつば、ふん便、おう吐物などを介して、二次感染するケースがある。
→〇
O157やO111は、自然界に広く分布し、人の皮膚やのどにもいる。肉を生で食べたり生焼けの状態で食べたりすることによって食中毒が引き起こされる。
→× 牛や豚などの家畜の腸の中にいる病原大腸菌にひとつ。
食中毒の種類を覚えることももちろん、「食中毒を未然に防ぐには」についても覚えておきましょう。